< 2021.6.25 UP >
3.K・B・H 新築工事
下方にある各画像を選択して頂くと、ご覧になれます。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
仮称)タイ国『欄室の館』
長慎が和男に見せる初めての顔である。
初めに
長慎の本領を幼なじみで一番の親友に
披瀝出来る幸運と境涯を天に感謝したい。
『南無妙法蓮華経』
別紙は
今年、3月24日の仏前での御祈念である。
その一発目の設計が和男とバードの家になろうとは夢にも思わず、大変に嬉しく、感謝の思いでいっぱいである。
では、和男、本題に入ります。
基礎設計がようやく出来ました。
最初に伝えたように全体のフォルムはシンメトリーである。
設計とは無限の空間から有限の空間を生み出す作業であり
上手くいった時の快感はとても人に伝えられるものではない。
アドレナリン全開でこんなに楽しい時間はない
和男の家は楽しい~
以下設計の要点を述べてみます。
①地熱の活用
ヨーロッパには地下の庭がある。
石垣島には宮良殿内がある。沖縄県内唯一の現存する士族の住まいであり、国の重要文化財に指定されている。
庭の形式は枯山水。気候と冥合し飽きない庭である。
殿内の敷地は表通りから約6、70センチ低い。通りから敷地に入るのに階段を4、5段降りる。
距離にして5メートル、時間にして5秒、その刹那に涼しいと感じるのである。
道路と宅内の温度差はおそらく2℃以下。
初体験の衝撃は今もありありと蘇る。『やられた』と思った。『笑み』がこぼれた。手を叩いた!
いったい誰が?こんな僻地に?英国の地下庭は定石3メートル下がるから想定内だし。
英国の歴史ある住文化に感心はしたが、衝撃は受けなかった。
以来、宮良親方を調べ、殿内の佇まいと対話をする程に宮良親方の人柄と見識、気骨がじわりじわり迫って来るのである。
宮良親方は島の設計屋にエーマンチュの誇りと決意を今尚、促し訴えている。
その工法を和男の家に初採用するのである。
平面的には5×5メートルを1cubeとして8cubeをシンメトリーに配置し、総面積200平米(60坪)の堂々たる構えの平屋である。
更に外壁面から5m離れてアーチ状の塀(100m)が住まいを四方に囲む。
この塀の内側が他の敷地より1m下がっているのである。
その高低差が夏は涼しく冬は暖かい体感2℃の心地良さを生み出すのである。
②建物の中心に外を作る
住まいの中央に1cube一辺5mの真四角の外(庭)を切り取った。
これは日本の標準的な幅員4mの道路が四方にすっぽり入る空間である。
外壁面の高さは6m。縦の視界は永遠に空だけである。
横の視界も25メートル遮る物のない距離を東西南北につないでいる。
無限の空間を日常の生活空間にいかに取り入れるかがポイントである。
③視界の最長距離
私の住宅設計の重要ポイントである。
主要な部屋からは縦と横に無限の広がりをもたせている。
④障害物を視界から除く。
隣地等の障害物(見たくない物)を視界に入れないようにする。
視界の最長距離と相乗して豊かな住空間を
生み出すポイントである。
⑤熱だまり
各部屋の天井には約30度の傾斜がつけて
あり高所にたまった熱を排煙窓から外部に排出する事で室温の上昇を防ぐのである。
⑥屋根下地の排熱通気孔
真夏に屋根材から天井、部屋に伝わってる熱気を軒下から外気を入れて30度の勾配で熱気を上昇させ
軒の高い所で外部に排出する事で室温の上昇を押さえる仕組みである。
⑦フィトンチッドの活用
30数年前から私の住まい作りの骨格になっているのがフィトンチッドの活用である。
ただ今回は建設地がタイ国なので材木がどの程度入手出来るかに左右されるので未確定要素が多い。